金沢で予約制の玉露とスイーツのフルコースを堪能 〜玉露初体験〜
先日1泊弾丸金沢ツアーを決行。
その際に、石川県立美術館に併設された「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」に伺ってきました!
こちらでは、自由が丘にある「モンサンクレール」を始め、パティシエ養成スクールの展開も手がける有名な辻口シェフ監督のスイーツコースをいただくことができます。
(*前日までの予約制)
こちらのスイーツコースの魅力は玉露を合わせていること。
目の前でお話を聞きながら玉露を体験することができます。
実は玉露は初体験の私!
その時の学びと共に、コースをご紹介できたらと思います!
まずは茶室から。
この美しさ伝わりますか?
右手は開放感あるガラス窓。緑が広がり見ているだけで癒されます。
そしてこれが、玉露コースに欠かせない道具
ちなみに、
壁は「銀箔」
スプーンは「山中塗り」
箸は「輪島塗り」
というこだわりようです.....
ではコーススタートです。
まずは季節のお茶「ヴェールヌーボー」から。
新茶にレモンとローズなどを加えフルーティな味わいに。
デセールは
「ブラッドオレンジのグラニテ、ピンクグレープフルーツのコンポート、アールグレイのジュレと共に」
そして、次がメインの「宇治本玉露」
一煎・二煎・三煎 といただくことができます。
一煎目はとても繊細ということで写真は撮らず、すぐにいただきました。
「お茶」というイメージで飲むと驚くようなスッキリした味わい。
渋みは全くなく、塩気を伴う旨味を感じます。
二煎目は
辻口シェフが能登島のガラス工房さんに特注した容れ物で提供されます。
芸術的ですね...
そして 三煎目
デセールは
「白桃とライチのスフリフィケーション 旬のいちごを浮かべて」
「ガトーショコラ ピスタチオアイス 柳田産ブルーベリーのソース」
「能登大納言とマンゴームースの求肥包み マンゴークリームと抹茶の香り」
コースはもう少し続くのですが、
せっかくの楽しみが無くなってしまうので、
全て紹介をすることは遠慮させていただきたいと思います。
ぜひ、気になる方は体験してきてください^ ^
後半は「玉露」について学んだことを少しご紹介したいと思います。
まずは、
玉露の説明の前に、この質問から!
Q.そもそも、お茶はなにからつくられるの?
A.「チャの葉」から
⇨「煎茶」、「玉露」、「番茶」、「玄米茶」、「烏龍茶」、「プーアール茶」、「紅茶」などはすべて「チャの葉」からつくられます!
Q.では違いは?
A.それぞれ作り方に差があるようです.... 気になる方はこちらにとても分かりやすくまとまっているので、ぜひ参考にしてください!
⇨
さて、それでは、玉露の説明に!
玉露とは?
日本茶の1種。
煎茶と似ていますが、違いは「収穫前にかぶせをする」ことです。
「え、なんでですか?」
という質問に玉露を提供してくださる女性が優しく説明してくださいました。
かぶせをするのは、日光を遮るためです。
「日光を遮るとどうなるのでしょうか?」
とさらに聞く私。
茶葉の根では旨味となるアミノ酸の一種テアニンが形成されます。
それが日光に当たると、渋みの原因になるカテキンに変化するんです。
なるほど....!
だからこそ、いただいた際に渋みを感じなかったのですね....
説明を伺い、味わいながら深く納得。
玉露の他にも、
かぶせ茶、お抹茶なども同じく「かぶせ」をしてつくられる日本茶だということです。
逆に苦味をだすために日光にあてるものもあるそうですが、
この経験を通して日本人といっても日本茶への理解が自分は浅いな...と痛感しました。
説明してくださった方も、
こちらに就職してお茶室担当になるまでは特別お茶に詳しくなかったということですが、
私にとっては学びの詰まったありがたいお話ばかりでした。
空間の美しさはもちろん、新しい経験と学びにあふれた唯一無二の素晴らしいスイーツコースでした。
金沢に伺う予定がある方にはぜひ一度経験していただきたいと心から思います。
本当にありがとうございました!
最後にお店の情報と目の前に広がる兼六園の写真を。
⇩
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ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA
〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1県立美術館内
TEL:076-204-6100 FAX:076-204-6116
●営業時間/10:00~19:00(18:30 L.O.)
※石川県立美術館・休館日も営業
●定休日/年中無休●当店のみのご利用には観覧料はかかりません。
●お持ち帰りのみでも、ご利用いただけます。
●無料駐車場あります。
絶品シュークリーム 〜トンカ豆って説明できる?〜
こんにちは!
先日、伺った「レセンシエル」さんで衝撃的な出会いを果たしました。
それがこのトンカフェーブ香るシュー・ア・ラ・クレーム。
写真を見返しているだけでまた食べたくなります...
シュー生地はクッキータイプですが、
絶妙な薄さでサクッ、ホロッとした食感が楽しめます。
そして何よりも、生地から溢れるカスタードクリームが至福な味わい....
ふわりと漂うトンカの香りは華やかなのに主張が強すぎず、上品な香り方。
心を鷲掴みにされました....
定番商品のようですので、ぜひ気になった方は食べにいってみてください!
お店の情報は最後に。
では、今回の勉強はトンカ豆!
みなさん説明できますか?
スイーツがお好きな方なら1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ちなみに私の理解は恥ずかしながら
「豆の一種で、杏仁とかバニラのような香りがするやつ!」というくらいしか....
そこでトンカ豆について調べてみました_φ(・_・
トンカの基本情報
・ブラジル、ベネズエラなどの南米熱帯雨林にあるマメ科の樹木「トンカ」の実の種
⇨トンカの木は3年1度しか実を結ばず、種は実の中に1粒だけ。
え、こんなに貴重だったとは......
・別名クマル
・催淫効果
⇨香水に用いられる & 異性に好ましい印象を与える
←これ本当ですかね?(・Д・)ノ
「トンカ」と調べたら、フレグランスの会社が実際に出てきました!
色々なビジネスがあるんですね...
興味深かったのでぜひ興味ある方は→トンカを追い求めて | Givaudan
・芳香主成分 ⇨ クマリン
⇨ 桜の葉、アーモンドの核・杏仁 にも含まれる。
⇨ バニラの芳香成分、バニリンとも科学構造が近い。
効果
⇨樹木の天然の虫よけ剤
血液の流れをスムーズに
アンチエイジング効果
これがトンカ豆特有のバニラ、杏仁のような香りを放つ正体です!!
杏仁、バニラの香りに例えられることに納得ですね(^o^)/
より身近な香りだと、桜餅の葉に近いということです。
最近少しずつ耳にするようになってきた「トンカ豆」ですが、
まだまだ「身近なもの」とは言い難いですよね...
しかし、その香りには多くの可能性を秘めているようです!
私は早速、トンカの香水を探してみようと思っています💨
3年に1度だけ実を結び、実の中に1粒しかない貴重なトンカ豆...
次にトンカを使ったお菓子をいただく際、より大切に味わうことができそうです。
明日は久しぶりにケーキの講習会。
食べてばかりではなく、作って学んできたいと思います!
みなさんも素敵な日曜日を^ ^
coro
トンカ豆を使った絶品シュークリームが食べられるお店はこちら⇩
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営業時間 [月〜金]9:30~19:00 [土・日・祝]10:00〜19:00
定休日 木曜日
〒112-0002
東京都文京区小石川 4-16-7
TEL 03-6320-8669
*1:photo by Mecredis / Fred Benenson
期間限定ショコラトリーの佐藤錦パフェ 〜佐藤錦ってどんなサクランボ?〜
こんにちは!
さくらんぼの季節真っ最中🍒
ということで、
さくらんぼのパフェをいただきに自由が丘にある「ル・プティ・ボヌール」さんにお邪魔してきました。
こちらは今年の1月に大阪から移転開業したお店です。
シェフの廣嶋さんは素晴らしい経歴をお持ちのショコラティエさん。
であると同時に、物腰柔らかなとても素敵な女性です。
伺った際もお店にいらっしゃり、丁寧に接客してくださいました。
今回のお目当ては大粒の佐藤錦が7粒 使われた贅沢なパフェ。
ピスタチオのシャンティ、バニラのブラマンジェは口当たり、風味ともに柔らか。
やはり印象的なのは
カカオニブのチュイール、チョコレートのアイス。
カカオの複雑な味わいがしっかり伝わってきて、「さすが!」としか言いようのない味わい深さ。
ショコラトリーだからこそのパフェですね✨
味わいに懐かしさを感じる手作りの苺ソースが華やかな甘味を与えてくれて大満足のフィニッシュでした🍓
今週の土曜日までの限定提供!
ということで気になる方はぜひ。
最後にお店の情報を載せさせていただきます。
「佐藤錦」とは果たしてどんなサクランボなのかということ。
人気だけど、高級!美味しい!という位しか....ということで調べてみました!
①産地:山形(1924年原木誕生)
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生みの親は、佐藤 栄助翁。
そんな彼を支え続け、佐藤錦を広めた育ての親は、岡田 東作翁。
収穫期と梅雨が重なり、実が割れてしまうサクランボは当時中々広まらなかったそうです...
そこで、果樹栽培が趣味であった栄助翁は新しい品種を作り出そうと15年の歳月をかけて作り出されたのがこの「佐藤錦」だとか!!
兄弟のような2人の絆と努力によって生まれたサクランボなんですね...
②味わい:ナポレオン ✖︎ 黄玉 =佐藤錦
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果肉が固くて酸味がある:ナポレオン
✖︎
甘いが保存が難しい:黄玉
ということなのですが、味わいの特徴としては糖度が高く、甘いのはもちろん、酸味とのバランスが抜群に良い品種だとか。
甘いだけでない、この柔らかな酸味が味を引き締めてくれて、絶妙ですよね✨
③高価な訳:リスク ✖︎ 手間(手作業)
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- リスク
味の評価が高い佐藤錦は、旬が短く日持ちがしないというデメリットがあります。
また、実が柔らかいため傷つきやすいという特徴もその希少価値をあげている要因と考えられます。
そう、
この柔らかさが特徴的で、パクパクと食べてしまうんです😉
・ 手作業
①芽欠き
粒を大きくするため蕾を8個ある蕾を3個残して間引きます!
1本の樹に無数にある芽を寒さに耐えながら手作業で...
②摘果作業
木を見て回り、着果が多いものがあれば摘果作業を行います。
着果制限をすることで、大きな、品質のよい甘い実が!
③葉摘み作業
日を遮る小さな葉を摘んで着色を促します。
大きな葉は果実の肥大や糖度を上げるために必要なため、 小さい葉のみを摘むとか....
大きな葉にはそういう役割があるんですね..._φ(・_・
④手摘み
2回に分けて収穫作業は行われます。
お腹と背中の色を見て、1回目は着色の良いものだけを。
2回目は残された実が8割色付いた時を待って収穫されます。
というのも、
トマトと違いサクランボは取ったら、それ以上色づかないからだとか!
なるほど....
そして最後は、
⑤箱詰め
粒・向きを揃えて 隙間なく箱に詰めていきます。
1つ1つのサイズを確認し、プレートと付き合わせて大きさを選別するとか...
バラ詰め、手詰め、鏡詰めの3通りあるそうですが、下の写真は鏡詰め!
これ、1人の熟練さんが1日に何箱作れるか想像できますか?
なんと10箱!
専門の詰め手の方でこのスピード....恐ろしく気の遠くなる作業ですね...
ということで、味は抜群けれど繊細な佐藤錦の魅力を最大限引き出すために、
熟練の方々の手作業が欠かせないものなのです。
しかし、このような作業をする熟練の方々の平均年齢は年々上がり、
次世代の担い手不足 だそうです。
人の手により、大切に育てられたものをいただけなくなる時が、
遅からず来てしまうのでしょうか.....
どうすべきなのか、簡単に導き出せない答えです。
みなさんはどう考えますか?
さて、 長くなりましたが
いつも食べているばかりで、なぜこの食材は高いのか?
どうやって育てられているのか?
実は、知らないことが多いです....
佐藤錦、これからは理解と感謝の気持ちと共により楽しみたいと思います!
最後に、
最初に紹介したお店では、
実はこのフレッシュな佐藤錦を使ったショコラも販売しています!
パリッしたダークチョコのコーティングに、瑞々しい佐藤錦....
たまらなかったです。
こちらも明日、土曜日までということなので
お時間・ご興味ある方はぜひ!
最後まで目を通してくださりありがとうございました。coro
パフェを頂いたお店はこちら⇩
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営業時間 11:00~19:00
定休日 日・月(冬季第2日曜営業)
〒158-0083
東京都世田谷区奥沢6-28-6-102
Tel・Fax 03-5760-6110
「テンパリング」って知ってる? 〜チョコレートの艶と口どけの秘訣〜
こんにちは!
急に暑くなり、バテているこの頃です。(といっても食欲はありますが...笑)
さて、先日お世話になっているパティシエ兼ショコラティエの方とお話しする機会がありました🍫
新作チョコレートの構想について伺っている途中、
シェフが突然「テンパリングって知ってる?」と。
一般的にみたらスイーツ好きである私。
もちろん「テンパリング」という言葉は聞いた事がありますが、
「溶かしたチョコレートの温度を調整して輝きを出すやつでしょ!!」程度の浅い理解...
そこでさらに「Ⅴ型結晶って知ってる?」と。
すみません、降参です。知りません。
ということでシェフに軽く説明をいただきましたが....
もっと知りたい!ということで、これを買ってしまいました。
この変な好奇心をどうにかしたいです....が、やはり楽しい。
この1冊にチョコレートの歴史、カカオの木から製品になるまで興味深い内容が詰まっています!
全部ご紹介したいですが、今回はテンパリングに焦点を当てます。
この本によると、テンパリングは
チョコレートの見た目と食感を整える工程
ということなのですが、これをもう少し詳しく見ると、
6種の異なる結晶構造をもつココアバターの
不揃いな結晶の形を整える工程
といえます。
うん。難しい。
もう少し詳しく説明しますと、
チョコレートはココアバターの中に、カカオや砂糖の微粒子が分散している状態。
そのココアバターにはⅠ〜Ⅵ型までの6種の結晶があり、
V型結晶のみ、光沢と噛んだときのスナップ性をもつ
と言われています。
この6種の結晶構造の融点はそれぞれ異なります。
つまり、その差を利用してⅠ〜Ⅳ型までの結晶はすべて溶かし、
「V型結晶」のみを残すことがテンパリングの目的
ということができます。
融点の差をまとめると以下のような形になります。
以上を踏まえて、具体的にどうやって作るのか?と言うと、
3段階の温度に合わせて加熱と冷却を行います。
- 45℃に加熱し、チョコレート中にある結晶をすべて溶かす。
- 26~28℃になるまで冷却し、Ⅳ型・Ⅴ型だけを結晶化させる。
- 28〜30℃になるまで再び加熱し、Ⅳ型を溶かし理想的な性質をもつ「Ⅴ型結晶」だけを残す。
⚠︎テンパリング温度はカカオ豆や材料の種類で変わってきます。
⚠︎Ⅵ型結晶はテンパリングの工程では発生せず、Ⅴ型を長期間放置したのちに初めて発生します。
→このような温度の微調整を行うことで、艶艶・口どけを実現しているのですね...👏
みなさん我々が食べるチョコレートの口どけと艶めきの裏にはこのような細やかな仕事が隠されていることご存知でしたか?
これからは一層、チョコレートの口どけと輝きに注目してしまいそうです...
余談になりますが、
お話しさせていただいたシェフはアイスも作っていらっしゃり、
チョコレートアイスにはこだわりのチョコチップが使われています。
そちらのチョコチップは、
アイスにより口内温度が下がることを計算して、ⅱ型結晶を作るなど調整をしているとか。
私が感激していると、
「調整で色々なことができるんだよ!
冷凍庫の中でやらなきゃだけど。」
と笑顔で。
より美しい、美味しいチョコレートのために身を削っているシェフの姿を想像し胸が熱くなりました。
日々何気なく口にしているチョコレート、テンパリングだけ見ても奥が深いですね...
1粒1粒に込められた作り手の想いと努力の姿を胸に、大切にチョコレートをいただきたいと思います!
お話しいただいたシェフ、
最後まで読んでくださった皆様ありがとうございましたm(_ _)m
私が「食」を愛する理由
はじめまして!
「食」が大好きな coro です。
でも「食が好き」
とはいっても、ただ食べ歩くことが好きという訳ではないのが厄介な所です。
もちろん美味しいものは好き。
でもその食が教えてくれる「今に感謝する」という気持ちがもっと好きです。
今を楽しむこと。
目の前の食事を大切にいただくこと。
目の前の人と今この時を楽しむこと。
そんな当たり前ことがこの現代では難しくなっているように感じます。
季節を感じ、ルーツを知り、作り手の想いを胸に大切にいただく。
そんなことができれば、もっと毎日が豊かに、温かなものになるように思います。
今この時を利益や目的の追求なく楽しみたい。
食はそんな想いを叶えてくれる最も身近なものだと思うのです。
さてさて、そんな食の魅力をこちらでお伝えできれば...
2018.6.22